自宅で転倒事故を起こす高齢者の割合

高齢者が転倒しやすい場所として挙げられるのが、自宅の階段です。内閣府がまとめたデータによると、1年以内に自宅で転倒した経験を持つ60歳以上の高齢者の割合は約10%でした。そこまで多くないように感じられるかもしれませんが、65歳未満の人に関しては1年以内に自宅で転倒した人の割合が約5%なのに対し、70歳以上の場合は10%以上で、85歳以上に限ると20%に達しようとしています。このデータからも分かるように、年齢を重ねると自宅で転倒する可能性はどんどん高くなるのが実情です。

ちなみに、高齢者の転倒事故が起こった場所をランキングにすると、1位は自宅で、転倒事故のおよそ半数が自宅で起きています。衰えが進むと、出かける機会が少なくなっていくので、自宅での転倒事故が増えやすいのは、ある程度は仕方がないことです。しかし、ランキング2位の一般道路の約2倍もの転倒事故が自宅で起こっていることを、軽視してはいけません。

自宅で特に警戒した方が良いのが階段で、階段の段差につまずいて転倒する例は珍しくはありません。そのため、階段に手すりを設け、高齢者がいざという時につかまれるようにすることは非常に大事です。近年はバリアフリーを意識した住宅が増えてはいるものの、それでもバリアフリー化率は、現時点で40%を若干超えた程度で、バリアフリー化されていない住宅もまだまだ多いわけです。20万円という上限はありますが、介護保険を利用すれば自己負担1割で手すりを設置できるので、手すりの設置を積極的に検討してみてください。