高齢者の転倒につながる内的要因と外的要因

高齢者が転倒してしまう原因は、内的要因と外的要因の2つに大きく分けられます。内的要因は高齢者の体に起因するもので、代表的な内的要因として挙げられるのは肉体の衰えです。食生活や生まれつきの体質などの条件によって、衰えの程度は異なってくるものの、いずれにしても加齢により肉体の機能は衰えていきます。筋力、バランス感覚、視力などは転倒との関係が深く、これらの衰えは転倒につながりかねません。また、筋力の低下に伴って姿勢が悪化してしまい、体のバランスを保ちにくくなるのも、転倒の原因の1つです。

病気も転倒のリスクを高める内的要因で、パーキンソン病や認知症、骨粗しょう症、起立性低血圧など、転倒のリスクを高める病気は色々と存在します。高齢者が、転倒のリスクを高める病気を患っている場合、介護を行う人は特に注意してあげないといけません。そして、転倒のリスクを高める病気を患っていなくても、薬の副作用によるふらつきなどが転倒につながる場合もあるので、高齢者が服用している薬の効果や副作用をしっかり把握することも大事です。内的要因のうち、特定のものが原因で転倒するケースは少なく、筋力低下と病気、病気と薬の副作用といった感じに、複数の原因が組み合わさって転倒に至るのが普通です。

外的要因は、転倒のリスクを高める環境のことで、段差や滑りやすい床などが代表的な外的要因として挙げられます。内的要因を多く抱えている高齢者は、外的要因により転倒する可能性が高くなるので、介護を行う人は自宅の掃除や片付けをこまめに行い、外的要因をできる限り取り除くようにしましょう。